■始めに

DSLAMとは、局内に設置されている集合型モデムのことで、DSLには必須の機器である。
Yahoo BBのADSLサービスでは、次の4種類の機器が使われているようだ。
Yahoo BBのサービスが始まった当初は、DX6512を設置していたようである。
その後トレンドはDX6524に移り、最近及び今後はUTSTAR機がメインらしい。
大雑把に言うと、コンボモデム登場以前のユーザーは主にDX6512に、以降のユーザーは主にDX6524に繋がっている。
UTSTAR機に繋がっているのは、最近開局したあるいは12Mサービスが可能になった一部局のユーザーだけのようだ。

真偽は定かではないが、巷で話題の「7.3Mの壁」の原因はDX6524?という説もあったりするので、ユーザーとしても自分が繋がっているDSLAMのIPアドレスや機種を知りたくなる。
また、既存8Mユーザーが12Mに移行する場合、既に12Mサービスに対応可能なDSLAMに繋がっているなら、局内工事不要でモデム交換のみの移行となるかもしれない。移行前後で繋がっているDSLAMが変わっていないなら、NTT工事費を支払う必要はないはずだ。
その他、障害時には自分から近い順にVoIP TA、モデム、DSLAM、Gateway・・・と疎通を確認するのが基本だ。
ということで、自分が繋がっているDSLAMを知っておいて損は無い。

なお、極僅かのセグメントのようだが、ユーザーに割り当てられているIPアドレスと繋がっているDSLAMのIPアドレスのネットワークアドレス部分が異なる、という状況が確認されている。そのようなセグメントでは、以下に説明する方法では残念ながら調べることはできないかもしれないことを、お断りしておく。


■アドレスを特定する

調べ方は極めて単純である。自分のモデムが繋がっているDSLAMこそが、局内機器や他ユーザーの機器の中で言わば最も近くに在るのだから、適当にパケットを送って一番早く応答を返す機器を調べれば良い。
ありがたいことに、ybbの関連機器はpingのブロードキャストに応答してくれるので(注:例えばWindows OSは反応しない)、それを利用することにする。
言うまでもなく、ルーター経由であったりFirewallソフトが動いている環境では、うまく動作しない可能性がある。
以下、ユーザー側機器としてWindowsを使う場合の説明となるので、他OSの人は適当に読み替えてほしい。

まずWindowsに付属のping.exeを使ってみよう。DOS窓を開いて、
C:\WINDOWS>ping 43.***.***.255

Pinging 43.***.***.255 with 32 bytes of data:

Reply from 43.***.***.255: bytes=32 time=2ms TTL=64
Reply from 43.***.***.255: bytes=32 time=1ms TTL=64
(以下略)
と、応答が返ってきたのに、送り元のアドレスがわからない。使えないユーティリティである。
「無いものは作れ」の鉄則に従って、応答元のアドレスを表示するツールを作ったので、それを使うことにしよう。(Windows 95で動かない場合は、M$のサイトからWinsock2を入手すること。)
やはりDOS窓を開いて、引数無しで実行してみよう。
C:\ybb\win32>xpong
/*** Ping Broadcast Result ***/
1:      43.***.***.3    [00d059******]
2:      43.***.***.244  [0090a3******]
3:      43.***.***.252  [00070e******]
4:      43.***.***.253  [000785******]
5:      43.***.***.251  [009099******]
6:      43.***.***.242  [0090a3******]

C:\ybb\win32>
このように、早く応答を返してきた上位6機のアドレスが表示される。
なお、応答元機器のARPテーブルにこちらの情報が存在するかどうかで順番が入れ替わる可能性があるので、安定した結果が得られるように短時間の間に2〜3回繰返し実行すること。初回実行の結果には、ネットワーク距離が正しく反映されていない可能性がある。

それぞれの機器について、見てみよう。
まず、1)について。
このMACアドレスは、わたしが使っているBB Phone用のTAである。こちらのLAN内でPCに直結しているのだから、真っ先に反応してくれた。図らずも、TAのIPアドレスがわかってしまった。コンボモデムやトリオモデムでも同じようにわかるはずだ。
次に、2)について。
これが、わたしのモデムが繋がっているDSLAMのはずである。MACアドレスの先頭6文字0090a3がベンダーコードなので、こちらで調べてみると、
00-90-A3   (hex)                Corecess Inc.
0090A3     (base 16)            Corecess Inc.
                                135-726, Keopyung B-Town 1F, 203, Nonhyu
                                Kangnam-gu,
                                Seoul  
                                KOREA, REPUBLIC OF
となった。これにより、わたしが繋がっているDSLAMは、CORECESS DX6512またはDX6524であることがわかる。
最後に3)〜6)だが、これらは局内に設置されているルーターやDHCPサーバー、他のDSLAMのアドレスである。

xpongは引数で表示件数を指定することができる。
たとえば、
 xpong 10
とすると、10件表示される。
 xpong -1
とすると、応答を返した全ての機器が表示される。この場合、件数が多くなるので、適宜
 xpong -1 | more で改ページ、または
 xpong -1 > pong.log でファイルにリダイレクト
すること。

なお、Estanciaで別のツールを使った調査方法が紹介されているので、興味のある方は参照してほしい。


■DX6512 vs DX6524

詳細については敢えて省略するが、DX6524は12Mに対応できるようにギリギリのチューニングを施しているらしい。
DX6512とDX6524で異なる反応を示すポイントがあるので、その性質を利用してリモートから機種を判定できるようである。
判定CGIを用意したので、興味のある方(ただしybbユーザー限定)は試されたい。
言うまでもなく、100%の正確性を保証するものではない。
わたしが試したところ、via DX6512となった。かなり早期に開通した8Mユーザーなので、予想通りの結果である。